怨返し─赦されない私の罪─
中に入ると薄暗く埃まみれで、来希は息を極力吸わないようにして作業を行った。中心部にある大きな物は端へと寄せ、中心には何も無い空間を開けた。
「う〜ん....何しよっかな?縄跳びで首絞めて、ギリギリ足がつく首吊りをさせてサンドバックもいいし、ホコリ集めて食わせんのもいいよなぁ〜。」
場所は決めていたが、明確にすることはあまり考えていなく、少し悩んでいると、急に後ろから豪快な音がした。
「うわっ!...は?なんで?」
豪快な音の正体は倉庫の扉だった。扉が勢いよく閉まった音だった。
来希は一瞬、清都のイタズラかと思ったが、この音によりテンションが下がる分冷静に頭は回っていた。
おかしい...いくらなんでも。あんな重い扉をすぐに閉めるなんて出来る人間いるわけねぇ....
筋肉質の体育の先生ですら、閉めるのに少し手こずるし俺が気が付かない内に閉めんのは無理だ。第一錆びてるし。
...でもまぁ、それじゃあなんで閉まったって話になるんだよなぁ....
それこそ環境のせいでってわけでもねぇし...俺がテンション高すぎて気が付かなかったのか。
来希はそういう風に答えを導き出し、倉庫の扉をドンドン叩いた。
「お〜い。誰だか知らねぇけど、さっさと開けてくんね?別に窓から出れるし、手間が増えるだけなんだけど〜。」