怨返し─赦されない私の罪─
章太の父親と母親の善子は章太のイジメが原因で離婚、それからは善子と二人で暮らしていて、善子は働きによく出ていた。
そんな章太を見て依奈はニコニコしていると、章太は顔を真っ赤にした。
「な、なに?」
「んふふ〜。やっぱ訂正、章ちゃん変わってないや。そういう優しい所。」
「や、やめてよ恥ずかしい。ちぃちゃんのその僕を小さい子供みたいに見るのはやめて欲しいな。」
章太をからかうのが依奈の楽しみだった。いつも面白いほど分かりやすい反応をしてくれる。
「ん〜。それにしても章ちゃん。もうちぃちゃんじゃなくて依奈でいいって。外でちぃちゃんって言っても絶対に誰にも通じないって。」
ちぃちゃんというのは千澤 依奈の名字と名前の頭文字を繋げている。章太が昔何となく付けたのを依奈は思い出した。
「う〜ん。でもこっちの方で慣れちゃったから...今更名前って感じがあるんだよね。」
「ふ〜ん。まぁいいや〜。」
「それより、ちぃちゃんも変わったよね。昔と全然違うや。」
依奈は炭酸ジュースを啜りながら聞いた。
「そう?私はそんな感じしないけど....」
「だって昔は男の子みたいだったじゃん。正直僕より男の子っぽかったよ。」
「う〜ん、そう言われるとあんな行動したのはあれっきりだったかな〜。中学からは、手を出す理由も無かったから。」