キミに伝えたい言葉がある
「真司君には、お見通しだね・・・なんかね、私の体、もう限界みたい」
「・・・え?」
「お医者さんが言うには何時何が起きてもおかしくないんだって」
ドクン、と心臓が大きく脈打った。
莉桜菜の口から聞かされた言葉は、とうとうやってきた本当に覚悟を決めなければいけないことだった。
「私はね、もう覚悟出来てる!お母さんたちとも話したし・・・泣かれちゃったけど」
莉桜菜は苦笑した。彼女の目からは涙は姿を現さなかった。
「・・・莉桜菜、」
「それでね、私最後の最後にやりたいこと!お医者さんに許可貰ったから、真司君にお願いしたくて」
「え?」
「今日一日、外出許可貰ったの!だから、遊びに、連れて行って!!」
笑顔で、莉桜菜にお願いされた。
外出許可?今日?
この状態で?
「何、言っているんだよ・・・?」
「真司君?」
「今、外なんか出てみろよ・・・寒いし、風がある。体調悪くするに決まっているだろう?ふざけんなよ」
外に出て、落ち着いた今の状態を悪化させようとするなんて馬鹿がすることだ。
命に関わることなら、なおのことだ。
俺は、断固拒否した。
外に出るのは、もう少し体調が良くなっからでもいいじゃないか。
今、昨日のことがあったのに、出かける必要はあるのか。