perverse
「美波ちゃんありがとう。助かる」
と笑顔のお母さん

「いつも家でやっていますから」
私も笑顔で返すと、お母さんが深呼吸をする
「宙がね美波ちゃんとの結婚の話をした時私、冗談だと思った」

やっぱり誰もがそう思うよね・・・

「でもね、宙が婿養子に行ってでも美波ちゃんと結婚したいって言った時、あー本気なんだってわかったの」

「えっ、婿養子?」

初耳だ

「でも、うちお婿さんを貰うような家じゃないですよ。姉もお嫁に行っているし」
「いつも何も言わない、人に無関心の宙がね真剣に言うの。本当に美波ちゃんのことが好きなのね」
お母さんが笑顔で言う

「美波ちゃんが宙にどんな魔法を使ったのかしらって主人と話していたの」
「魔法?」

そんなの使ってないです
それに、再会して3週間しか経っていないのに

宙さんの何が変わったのかもわからない

食器を軽く洗い、私はお母さんに挨拶をしてその場を後にした

キッチンを出ると私のバックを持って立っている宙さん

「行こうか?」

部屋で待っているのかと思っていたから、結構せっかち?

それとも、早くこの場を離れなければいけないの?

時間はまだ午後2時。夕食には早いはず

「俺たち出かけるから」

宙さんが声をかけると、ご両親が玄関まで出てきて見送りに来てくれる

全く引き止められなかったのは宙さんが言うように、嫁が来るからなのだろうか?

とりあえず、ブッキングをすることなく星野家を後にした


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