perverse
『美波、煽ってるよ』

彼はそう言いながら両手で私の胸を弄ぶ

「ーーっああ………」

我慢せず、声を出す私、感極まっているのか?いつもと違う……

煽っているのは解っている。未遂はあったけど、真剣に肌を合わすのは今日が初めて。初めてだから、もったいぶるとか、恥づかしがるとか色々演出だってできるはずなのに今日はそれをしたくなかった

たぶん、私の本能がそうしろって脳に指令しているぐらい、いつもより興奮している

私の女の欲望が降臨している

今日の私の変貌のスイッチを押したのは、翔の嫁

あの人の負のオーラが私を妖艶にしたのは事実だ

私の胸を弄ぶ宙さん

それだけなのに下半身は潤っている

宙さんは思い出したかのように、スポンジの泡を軽く私の全体に纏わしてきた

泡の壊れる音がプチプチ聞こえるが、それを無視し私に全身シャワーをかける

その後、私を胡座をかいた宙さんの膝上に横抱きし髪の毛も洗うポーズ

私を見下ろす宙さんを下から眺めていると、優しく微笑んでいるがーーーそこは束の間、私の秘めたる部分を指で弄び始めた

『美波、ビチョビチョだよ』
「はっ恥ずかしい……」

眼をそらすように、顔を横向けた

『ホント美波エロいんだから』

なんて煽る言葉を言うくせに、それ以上何もしてこない

もしかして宙さんってS?

私の身体は興奮してその先を求めて疼いている。それは気づいているはずなのに、彼は私の髪の毛を洗いだした

『美波、今もイイけど昔みたいに髪伸ばして』

何気ない話をして焦らしていく

洗い終わりシャワーが止まり、私は起き上がりキスをしてその先をせがむ。バスルームの温度も上がっているのか、少し息苦しく、顔も紅潮している

でも、宙さんは私の行為に応えることはなく、『フフフッ……』って笑みを浮かべる
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