perverse
「あの男に振られた後激ヤセして妊娠したかもしれないって相談した時も激怒されて傷ついて……先輩の弟はそんな酷い事をしたのよ!!」

姉は涙声で、宙さんにあの時の私の事を話した
忘れていたわけではないけど、辛かったあの時が脳裏に浮かんでくる
私はハッと宙さんの顔を見る
姉の言葉を噛み締めるように、目を閉じていた

「でもお姉ちゃん、その時は妊娠していなかったし」
取り繕って見たけど、姉には通じなかった

「そんなことじゃない!誠意がないのよ、誠意が!どんな理由があるにしろ、無視とかありえない」
激昂している姉を義兄はなだめているようだが、効果がないようだ

私達の結婚とはこういうものだった。改めてこの障害を認識
姉は悪くない。あの時の私の気持ちを代弁してくれているだけ
でも、宙さんに怒りをぶつけるのはお門違い

宙さんと結婚するってことは翔と親戚になるということ。たぶん姉は、私を傷つけた翔と一生関わらないようにしたかった。姉なりの私に対する愛情だ
私が話し出そうとした時、宙さんの左手が私を遮り

『お姉さんの言うことはごもっともです。弟に非があるのも認めます。ただ私が唯一結婚したいと思えたのは美波さんだけなので、この思いを貫いただけです。美波さんにも理解していただいています』
と言って、横にいる私を見つめた
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