perverse
『はっきりと、翔に思いをよく告げれたね』
ニコニコ笑いながら、宙さんは言うけど、これって喜ぶことなの?
言葉に詰まっってしまう。いつのまにか涙は止まっていた

クスッと肩を揺らし、宙さんは話を続ける
『美波は翔の姿を見て過去の想いに戻ってしまうかなって思ってしまったけど、違ったみたいで俺は安心した」

私、宙さんを不安にしてた。でもリアルで翔に触れた時、少し心が動きそうになったのは事実だ
「ごめんなさい」
『美波が謝ることじゃない。それより問題が一つ』
「問題?」
一体なんだろう?重大なことだったら、怖い

『この後どうする?』

そういえば今日は夕食に招かれて食事の準備を手伝い、翔家族が突然来て今に至る

「翔たちと食事をするって事?」
『当たり。美波が嫌だったら撤収するけど』

難しい選択

招かれたのは私達
夕食の準備を手伝っているのも私
アポなしで突撃して来た翔一家は招かざる客で、手伝いもせずリビングでお客様気取りのはず何で私がいそいそと逃げるように帰らなければけないんだ。なんか悔しい。でもこの思い宙さんに伝えていいものなのか

返答に困っている私に

『美波、アイツと戦える?』
「戦う?」
『翔の嫁は、美波との過去の関係を知っているかどうかわからないけど、100パーセント攻撃してくる。たぶん女として。母さんみたいに適当に言い返すことができるか?ってこと』

口喧嘩に勝てるかってこと?この前、フードコートでの様子だと私には勝てないと思う

「無理無理無理」
『俺と親は美波に援護射撃はする。美波には悪いけど1度だけ戦ってもらわないといけない』

意味がわからない。なぜ私が憎っくき嫁と戦わないといけないの?宙さんの顔をチラリと見ると、相変わらず、悪戯そうな笑みを漏らしているからムカつく
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