perverse

「じゃあ5千万」

オークションじゃあるまいどんどん値段を上げてどうするんだ？
この光景何も知らない人がみたら滑稽に見えるだろうな

『この結納金を支払うのに借金とかなしですよ。結婚したは結納金のため自宅を抵当に入っているなんて話良く聞きますからね』

ニコニコ笑顔で言ってるけど、これって嫌味とも思えるのは私だけかしら
院長を見ると図星っていう顔をしているから笑える
宙さん、あなたワザと仕掛けましたね
この人を敵に回すといけないことを痛感

さっきの話がトドメだったのか院長は無言
彼女はまだ院長の腕を引っ張り、何かをやらせようとしている。

『確認したいんですけど。いいですか？』
「いいです」
『町田先生の男性関係のことです。大丈夫ですか？』

父親に普通その確認？
ありえない
宙さんが悪魔にしか見えないよ
院長と彼女の顔を見ると二人とも引きつっていた
当たり前か

そして二人とも無言
完全に宙さんのペース
田中先生は笑いをコラえるのに大変そう

『昔から町田先生は男性関係がお盛んなのは有名ですが、結婚したらもちろん控えられるんですよね？』

院長この言葉でまた固まる
固まるのは今日何回目？

心臓が悪い人だったら絶対倒れている
それぐらいの修羅場
仕掛けたのはあなた達ですよ

「控えるに決まってるじゃない」

自信なさげに言う
この人絶対やるな
彼女の態度が何とも言えないそんな空気を醸し出している

『本当に？』
「本当。神に誓って」

神様まで持ち出して来たよ
どこにいるんだ？

私は当事者なのに第三者の気分で傍観者になっている

このやり取りを見て私は医者の彼女ほど学歴や収入は持ち合わせてないけれど、人として一人の女性として負けてないと変な自信がついたような気がする。

『町田先生、神様に何を誓うのですか？』
「男遊びを控えることに決まってるじゃない』

怒ってる？そんな挑戦的に言ったら宙さんのペースに巻き込まれちゃうよとは思うけど言ってあげれない

『控えるっていうことは数を減らすってことですよ？わかってます？』
「それぐらいわかってるわよ。誰に向かって言ってるの？」
『院長、町田先生がそう言っているんですがいいんですか？』

院長を見ると氷が溶けたかのように固まっていなかった。それどころか、顔が真っ赤になっている

「真理、お前は何を言っているんだ」
怒る院長