perverse
『俺は真剣に美波と一緒になりたくて強引に迫る。そして結婚を決意。その時は本当に嬉しかった。美波は翔を引きずっていて俺は翔の影を気にしていた』
そんな事、全然知らなかった。宙さんの私に対する接し方にそんな思いがあるなんて。知らなかった
『だから翔と同じように毎日連絡したし、休みの日には会うようにした。この家に越してきた時は、できるだけ美波との時間を作るようにした』
そんなことを言うの?付き合っているんだから当たり前じゃない
『それをすることにより今まで自宅でしていた勉強や論文が疎かになってきている』
私が宙さん仕事を邪魔してる?
私は申し訳なく思い舌を向く
『ごめん。非難してる訳じゃない。言いたいのは俺みたいな勤務医との恋愛や結婚はサラリーマンとは同じようなペースで構ってあげられないってこと』
「ごめんなさい。理解しているって思っていたけど、完全に抜けていた。一般の人と同じような恋愛を考えてた」
『美波は悪くない。翔を真似した俺が悪い。今の仕事を続けていくには美波中心ではいけないっていうことに気付いた。俺と結婚するっていうことは美波に支えてもらわないといけないし、時間がなくて寂しい思いを今以上にさせることになる。それでもいい?』
宙さんの言葉は、私の肩に重くのしかかる
【医者である宙さんのお嫁さん】になるための覚悟
普通のサラリーマンの翔と結婚するのとはレベルが違いすぎることに、今になって気付くなんて浅はか
恥ずかしながら私は結婚ということに踊りすぎて、何一つ考えていなかった
「ごめんね。我儘すぎて」
今までモヤモヤしていたことが吹っ飛ぶ
でも謝るしかできない
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