perverse
いくら話して説得しても、たどり着くのは『翔に戻って来て欲しい』真寛さんの思い
ある意味、真寛さんはブレていない
こんなにも自分の思いを貫き通すことはスゴイけど、いつまでも話が平行線でゴ―ルが見えないのは、はた迷惑でこんな人とは関わりたくない
翔はそんなやり取りには慣れているのか、普段通りの様子
「何度も言うけど、今のままでは戻れないし、俺達はお互いの為に別れた方が良い」
翔は息を深くすい、改まっかのように口を開いた
「この結婚は間違っていた」
この言葉を聞いた真寛さんの目が大きく見開き、静かな時間だけが過ぎていく
恐怖に思える、この沈黙の時間
「そんな事はわかっていたわ―。それを承知で彼女持ちの翔に近づいた訳だし―。でも人の気持ちは変わるの。私だって、最初は誰でも良かって翔に近づいた。でもね今は違う」
真寛さんは自分の隣に座っている翔の顔をじっと見つめる
翔は一切、真寛さんの方は見ず、無表情で一点を見つめていた
「今は翔の事好き。ずっと一緒にいたいと思ってる」
「だから?口先では何とでも言える。そんな気持ちがあるのに浮気をして、よそで浮気をして子供を作るんだ。お前の言葉なんか誰が信じるんだ?意味がわからない!俺は出会った時からお前が大嫌いだった」
翔、自分の思いを真寛さんに伝えたのは初めて?
貴方はこの4年間彼女の行為に耐えていたの?
それを聞いた真寛さんはワ―ンと大きな声で泣き出した
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