perverse
「この部屋に入って来た時の第一声が翔の元カノである確認。ちなみに録音しているから証拠もあるから否定しても無駄だ」
宙さんはポケットから録音中のボイスレコーダーを出すと、真寛さんの顔色が真っ青になった
「私を嵌めたわね―」
真寛さんはそう言い、巨漢の身体で私に突進してきた
エエェッ―――なんで私に来るの?
録音していたのは宙さんなのに・・・
引き止めようとする翔・・・・でも、大の大人でも興奮して怒り全開の真寛さんに敵うことはなく吹っ飛ぶばされている
私の中の時間が一瞬、止まり
スローモーションのように流れる
周りすごく騒がしいはずなのに、音すら耳に入ってこない
真寛さんは椅子に座っている私の斜め前に来て私の胸倉を掴み、私の左頬を叩く
感情がこもっているのか、思いっきり力が込められ左頬がジンジン痛む
なぜ、私がこんな目に会わないといけないの?
ムカつく
私は無性に腹が立ち抵抗し、爪を立てて真寛さんの両頬を引っかいた
「何するのよ?」
私から反撃を受けた真寛さんが私に覆いこみ
椅子ごと倒れてしまう
ガシャ―――ン
大きな音とともに、私の意識が途切れる
意識を失う前、一瞬、宙さんの心配する顔が見えたような気がする
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