perverse

二人とも優しいというか、この優しさがなければ普通に歩けないのが現状で情けなく思う
時計を見るともう午後５時を回っている
ショック
ブライダルフェアは終わった
ムカつく
行けなかったことではなくて、行けなかった原因が真寛さんだったこと
この人だけにはされたくなかった
彼女だけにはもうこれ以上、私の人生に関わる重要なことには関わって欲しくない
自宅に到着して私はベッドに寝かされる
宙さんは今から警察に被害届を提出に行くと言っているが、翔が｢ちょっと待って｣と引き止めた
一応、配偶者だからコトを大きくしてほしくないらしい
翔の言っている意味はわかるけど、私は被害者
真寛さんの言い掛かりで因縁をつけられた上に、巨漢で襲われた私の立場
夫である翔の立場もわからないではないが、彼女をこのまま野放しをしておいたら私の身がもたないような気がする
『どうするんだ？美波がこんな大怪我をさせられて。何も言わないなんてありえない。これは傷害事件でもあるんだから』
私は隣の部屋から聞こえる、二人のやり取りをただ聞くだけ
今の私は精神的にも、肉体的にも辛くてさすがに彼女とは戦えない
宙さんにお任せするしかできない
｢わかっているって。俺達の離婚に全く関係ない美波に、こんなケガまでさせる真寛は許せないし怖いとも思う。ただ警察に届ける前に、先に連絡するところがあるんだ｣
『先に連絡するところ？ああ、あそこか？』
宙さんは、わかっているみたいだけど、私にはサッパリわからなかった
｢翔です。今お時間大丈夫ですか？あれから、何も進歩はしていません。それより真寛さんがやらかしてしまって｣