perverse
「お金はいりません」
私は差し出された封筒を返す
「何を言っているんだ?」
たぶん私がお金を受け取って一見落着だと思っていたのだろう
私の想定外の行動に、顔が赤くなり全身を振るわせている父親が印象的
私が彼らをこんな風なに観察できるのは、それだけ冷静に対応しているから
「そのかわり私の前から完全に消えて下さい。あなた方は私の人生に邪魔なの」
「君は何が言いたいのかね?言っている意味がわからない」
私はフッと軽く微笑み
「宙さんと結婚するに当たり真寛さんが義妹にならないようなにしてくれたら、姉達には何も言いません」
「それは真寛達に離婚をしろということかね?」
父親が私の言いたい事を察したようだ
「そういう方法もありますね」
私はワザといくつもの選択肢があるような返事をする
答えはたぶん一つしかないのに
人の人生が変わる事なので慎重に答えた
「貴方何を考えているの?」
母親が興奮気味にな甲高い声で言うので
「ここで、このお金を受け取っても真寛さんの私に対する思いは変わらないしきっと同じ事を繰り返す。そうならないと言い切れますか?真寛さんは絶対同じ事をやりますよ?」
私は母親に応えるようにまくし上げるように応えると
両親は真寛さんの気性がわかっているのでお互い顔を見合わし、それ以上何も言わなかった
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