perverse
久しぶりに来る2階

部屋は3つ
宙さん、翔の部屋、お父さんの書斎だけど物置になっている部屋

そういえば私達が初めて会ったのもここ

宙さんがドアを開ける

初めて入る宙さんの部屋

「本が多い」

思わず呟く

「引越しで運ぶのは服と本ぐらいかな」
「ふーん」
「あとは買うよ。もちろんベッドもね」

思わず絶句
宙さんはいつもの悪戯な笑みを浮かべている

「美波はシングル2つとダブルベッドどちらがいい?」

と言いながら、私を抱きしめた

宙さんの胸に顔を埋めると彼の心臓の音が耳に入る

落ち着く・・・

「疲れた?」

上を見上げると心配そうな宙さんの表情
私は首を横に振る

トントン

ドアをノックする音

私は慌てて離れる

お母さんがお茶を持って来たようだ

「何かあったら呼んでね」

お母さんは宙さんにお茶が乗ったトレーを渡しドアを閉める

トレーの上にはアイスコーヒー、アイスティーとクッキー

「おいしそうだけど、お腹いっぱい」

という私に、真剣な顔をする

「何を聞きたい?」

さっきの余韻もなく本題に入る。もしかして、急いでいる?なんて思いながら

「奥さんはどんな人ですか?」

って聞いてみた。












< 93 / 294 >

この作品をシェア

pagetop