perverse
「一言で言うと美波と正反対の人」
「正反対?」
「美波はさ人との距離を取るのが上手だよね。」
「えっ、そんなこと言われるの初めてです」
「気づいてないだけで本当だよ。相手の立場を考えながら行動している」
「それって当たり前の事じゃないんですか?」

宙さんが軽い溜息

「美波にとっってはね。アイツはそれをやらない。もしかしたらできないのかもしれない」
「例えばさっきの電話、母が断ったのにその後キレたよね。何が起こったと思う?」

何が?温和なお母さんが切れるぐらいだからよっぽどのことが起こったに違いない

言葉が出ない

「こっちが断っても、自分の要求が通るまで意志を通すんだ。無理だったらヒステリーで攻撃。今回はそれだね」
「えっ、それって……」

唖然とした。私だったらありえない行動

翔はこの人を選んだのだろう?その疑問だけしか頭に浮かばない

「どうして翔はこの人と結婚したのですか?」

意を決して聞いてみる

宙さんに言葉はなく、私の瞳を見つめる宙さん

暫くして深呼吸をして、口を開く

「アイツはは翔の会社の友達の彼女の会社の先輩」

『はぁっ』って言いたい自分がいたけど、言葉を飲み込む

「アイツは会社の後輩に別れたばかりだから男を紹介するようにせびっていた。かといって【キチガイ】の域にいるヤツだから拒否していたら、逆ギレされて仕方なく翔を紹介したらしい」
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