perverse
「どうして翔なんですか?私がいたのに」

会社の人だったら私のことは公認のはずだ。なのになぜ?

「最初は4人での飲み会。結婚前提の彼女がいる男だったら諦めてくれて、一応セッティングしたから義理も通せると思ったらしい」
「でも諦めなかったってことですよね?」

宙さんにさんは頷く

「アイツ、翔の前は不倫だったらしく相手の家に乗り込んで離婚はさせたけど結婚まではいたらなかった。つまり…人から男を取る行為は大したことじゃないってこと」
「ーーーー」
「略奪することに血が騒ぐとも言っていた」

えっ、そんな人がいるんだ

こんな人のために私はあんなに苦しんだ

でも、翔って略奪するほどの男?

疑問が生まれる

高身長、多少はイケメンではあるけれど、一般論として年収も多くなく高学歴があるわけでもない

誰でもいいならわかるけど、略奪する価値があるのか?宙さんならわかるけど

「私から翔を略奪する理由ってそれだけですか?」

宙さんが天井を見てまた溜息

「俺が医者だから実家が金持ちって思ったらしい。ただのサラリーマン家庭で自宅から通える国立大学だからあまり金hはかかってないのに」

そんな理由で取られたのか

こんな理由で別れる私達なんて、早かれ遅かれ別れる運命だったのかもしれない

儚いものだったんだ

理由がわかって、ずっと胸に刺さっていたいたものが取れたようでスッキリ

もう涙も出ない

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