perverse

そんな迷っている私の気持ちを察したのか

「別れることを考えている？」

寂しそうな声で宙さんが聞いて来る

言葉が浮かばない・・・

いざ現実が目の前に来ただけで前に進めない

私の悪い癖

宙さんが項垂れてコツンと私の肩に額を乗せる

そんな彼を見て『愛おしい』って思ってしまい、身体が勝手に彼を抱きしめる

「ありがとう」

耳元で響く寂気な宙さんの声

いつもの強気な彼とは違い弱々しい

彼とは離れたくない

今、この手を離してしまうと翔の時と同様にこれから先ずるずる引きずった日々を送るのだろうか？

きっと、たぶん送る

宙さんに上書きされただけで、また同じことを繰り返すだけ

そんな私がようい容易に想像できる

私は変わりたい

もうイジイジ前に進めない私なんて嫌

この私の人生がかかる選択肢を私はどう選ぶ？

この選択肢の答えは考えなくても、決まっていた
たぶん、こちらの答えを選んでも後悔はしない･･･と思う
思いたい

ちょうど宙さんの胸に顔がある私

上を向くと、彼の唇がの頬に触れる

閉じていた瞳が開き、見つめあう

私はクスッっと笑い、肩を揺らし今できる精一杯の笑顔を彼に向ける

「幸せにしてくれるって約束しましたよね。守ってくれるんですよね？」

いつもとは違い、わざと悪戯な質問を投げかけた

「ーーーー」

唖然とした表情をしている宙さん

もしかしたら、私がもう一つの選択肢を選ぶと思っていた？

コクリと頷くだけで言葉はない

また痛いぐらい力いっぱい私を抱きしめて、唇を押しつける

私の後頭部が彼の大きな手で包まれてしまい、私の頭部は身動きが取れない

余韻を感じることなく強引に私の唇をこじ開け、彼の舌が勢いよく侵入してくる

絡まることもなく、私の口の中を弄っている