breath
「明日美……不安にさせてごめんね……」

樹さんの胸で泣く私に、囁きながら響いてくる声

「ーーー私、大丈夫ですから……」

本当は寂しくて、寂しくてしょうがないのに……嘘をついてしまう私……

無理をする事ばかり考えていて、素直になれなかった


少し私が落ち着いた時、樹さんが口を開き

「クリスマス空けておいて」

と言ってくれた

その言葉を聞いた時、心臓が止まるくらい驚いたのと同時に、嬉しかった

樹さんは、この大切な日を私と過ごしてくれる

藤崎さんじゃなく、私を……

たぶん、女としてあの人には負けたくない思いが、私の中にあるのは明らかで、モヤモヤしている気持ちは、その葛藤の表れである

その後は、樹さんはキスをしてくれた

彼の肌や体温に触れていると、今まで我慢していた『一緒にいたい』気持ちが、私の本能を揺さぶる

唇が離れてしまうと、名残惜しくなり、いつもと違い『もっと……』とせがんでしまう私がいた
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