breath
「同情?」

キョトンとする私

私が最後の切り札で出した【退職カード】

別に同情を誘うために使う訳ではない

こういう場合、誰かが退職して事を収めるのが普通だと思っていたから、申し出たのに

ーーーもちろん、私を守るためでもあるのだけど……

「退職する事で、悲劇のヒロインを装いたいのか?」

ブンブンと首を横に降る

だって、悪いのは後から出てきた私だと思っていたから……

「じゃあ辞める必要はないだろう?」

はい?……専務は私と逆の発想ですか?

簡単に退職を認められると思っていたから、私なりに違和感を感じている

「でも……」

「望月さんは樹の親も認めた正式な婚約者だ。何が起ころうと正々堂々としていたら良い。」

専務の言う通りで良いの?

交際している樹さんと藤崎さんの間に割り込んだのは、私かもしれないのに……

そんな場合でも正式が強い……というになら、私は相当のチキンなのかもしれない
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