breath
「それに今だって私の所に来てから、人と接触させていなかったはずだが」

専務の言う通りです

全く元同僚にも接触していなのは事実だし、誰からも連絡ありません

そういえば……同期や友達からも全く連絡がないのはおかしい……なんで今まで気づかなかったんだろう?

「専務、もしかしたら元同僚の人たちから全く連絡がないのは……専務が手を回されたのですか?」

普通、そんな事はしないよね……とは思うけど、あえて聞いてみる

「溝口が手を回したと聞いている。君は樹の婚約者だ。一族のことで変な噂を立てたら困るからな」

「あっ……そうなんですか……知らなかったです」

私の異動は実力ではなく、樹さんの婚約者になった理由の特別待遇

ちょっと落ち込んでしまった

今まで勘違いをしていた私……惨めだ……

私の知らない所で見えない力が働き、守られている。

そして私の取り巻く環境は想像以上に変わっていたのだ
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