breath
ウルウルしている私を見てしまった樹さん

さっと向かいに座っている私の元にやって来る

「明日美……大丈夫?」

心配そうに私を覗き込む樹さん

彼の私に対する優しさは、二年前と全然変わらない

私は涙を指で拭いながら

「昔の事を思い出したら、涙が出てきただけ。全然大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ございません」

ペコって謝る

樹さんは私の頭をポンポンと軽く叩き、私を慰める

私は作り笑顔でニコって笑い「食事を続けましょう」と言い、戻るように促した

その後、食べ終わるまでの数十分無言が続いた

食後、片付けを手伝ってくれる樹さん

その時も会話はなし

今日はこれで終わりかな……って思ってしまう

片付けが終わり

「明日美……話があるんだ」

神妙な面持ちで私に声をかける

私は拒否する事もなく、樹さんに連れていかれるままソファーに向かう

隣同士で座る私達

距離、近くないですか……?
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