breath
挙動不審の行動
樹さんの本心を知りたい
口では私だけ好きとか何とでも言える
でも、現実は?
私の目の前にいる樹さんは100パーセント、本当の自分を私に見せてくれているとは思えない
樹さんに対する不信感
払拭する日は来るんだろうか?
電話を切った後、不安感が私を襲いかかる
心臓がドキドキして
樹さんが私の事を思ってすぐ帰ってきてくれるのか?それとも帰ってこないのか
彼を試しているのはわかる
やっている事が最低な事だということも
突然、電話を切ったから樹さんから電話があったかなとスマホを確認したけど着信はない
苦しい…息が…どうしよう…助けて…

苦しいまま私は体育座りをして身を抱え、時が過ぎるのを待つしかなかった
二年前、何回か体験した事があるこの症状

過呼吸
私はこの症状を通り過ぎるのをひたすら待つしかない
不安との戦い
私は下に落ちたスマホを拾い、社長にメッセージを打つ
【かこきう】
誤字だけど、これだけ打つだけで精一杯
きっと社長はわかってくれるはず
数分が経ち、玄関の鍵が開く音がした
「明日美!」
社長が私の所に来て抱きしめ、背中をさする
「大丈夫か?」
ここに引っ越してきてから何度か社長の前でも発作を起こした事があるので、社長は対応の仕方を心得ている
「明日美、ゆっくり浅く呼吸をするんだ」
そう優しく言い、導いてくれる
社長の胸の中が心地よくて、ずっとこのままでいたいと思うのはいけないこと
もうしばらくだけこの暖かさに触れていたいと思った
今、1人にはなりたくない

どれぐらい時間が経っただろうか?
私の症状はもうとっくに収まったのに、社長はまだ胸を貸してくれている
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