Vanilla
でもまだここはお店の中。

我慢だ……。

「何、その目」

どうやら苛々が出てしまっていたらしい。
鋭い目付きで返された。
でも負けてたまるか。

「……何でもありません」

苛々しながら鞄の中に手を突っ込んで財布を取った。


「行くぞ」

「え?」

すると何故か朝永さんに腕を突然掴まれた。
それに驚いて、掴んだ財布は鞄へと逆戻り。

そしてすぐに歩き出す朝永さん。
そのせいで軽くよろめいた私だが何とか踏ん張った。
が、そんな私をお構いなしにそのままズカズカとお店の外へと歩こうとする朝永さん。

えっ!?ちょっと!?
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