Vanilla
「グミ、今日なんか変」


するといつの間にか私の前にドアップの朝永さんがあって。
私は驚いて後ろに勢いよく上半身を引いた。
今は朝永さんと食事中だ。
いつの間にか朝永さんが机から身を乗り出していた。

「い、いつも通りです」

心の中はドッキドキだが必死に平静を装った。

「ふーん」と朝永さんからは素っ気無い返事がきてくれて私は安堵した。

だって私の気持ちを伝えたところで失恋決定だもん……。


食べ終わると私は再び家事を再開。
食事の後片付けをし始めると朝永さんはお風呂に行ったようだ。




「グミ、アイス食べてないじゃん」


その台詞に朝永さんがお風呂から出てきたことに気付いたのと同時に土曜日のことを思い出す。
私が悶々としているというのに聞こえてきた暢気な声に苛々したのはただの八つ当たりだけれど。
< 176 / 566 >

この作品をシェア

pagetop