Vanilla
「グミのくせに俺に歯向かうなんて良い度胸してんじゃん」

しかも私を見下ろす目は細く、苛立ちしか感じとれない。

「ど、退いて下さいっ!」

身体を起き上がらせようとするが、当たり前だがびくともしない。
私は今度は代わりに足をバタつかせて抵抗する。

「今日はやけに反抗的だな」

朝永さんが更に苛々したが、今の私はそれどころではない。

何でも良いから退いて欲しいの。
この体勢が恥ずかしすぎて心臓はおかしくなっているから。

それに目の前のお風呂上がりの少ししっとり感が残っている髪のせいか朝永さんの色気が半端ない。


「退いて欲しいなら口開けろ」

この状況に頭がパンク状態の私は言う通り口を開けた。

恥ずかしくて目はギュッと閉じた。

するとすぐに口の中に冷たい物が入ってきた。
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