Vanilla
「私は、恋愛経験なんてまともに無いもん……。いきなり告白なんて補償が無いと出来ない……」

閉めたロッカーに両手を添えて自信無く呟いた私。

「そんな臆病だから今までまともに恋愛経験が無いのよ。恋愛ってのは待ってるだけじゃダメなのよ」

ズバッと辛口な愛佳ちゃん。
愛佳ちゃんは物事をハッキリ言える性格で彼氏も今まで数人いたらしい。
私とは正反対の性格。

「そんなこと、言ったって……」

「じゃあ諦めなよ」

更なる辛口を淡々と吐いた愛佳ちゃんに驚いて「え」と彼女を見る。

「諦められないなら告白してスッキリしな。それにちんたらしてたら朝永さん、次に行っちゃうかもよ?」

愛佳ちゃんは準備を終えたようでロッカーを閉めた。
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