Vanilla
貴方の心がペアの食器の彼女にあるのは分かってる。

昨日もきっとその彼女と居たんでしょ?

だからもう、私なんか放っておいて……




「キスしたい」




え?




驚いて思わず顔を上げると、真っ直ぐな熱い双眸の瞳が見えた。

何でそんな目で私を見ているのか分からず、動けないでいると、両頬を朝永さんの大きな手が包んだ。

すると私にゆっくり近付いてくる朝永さんの顔。

ビクッと身体を竦めた私は後ろに足を引いて逃げようとした。


「逃げんな」
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