Vanilla
ドライヤーを持っている朝永さん。
いつもより早いなと思ったら髪をまだ乾かしてないらしい。

それよりも、何故このタイミングで。
髪を乾かすとなると、朝永さんに触れなきゃいけないわけで……


『ドサッ』


すると考えあぐねいてソファに座る私の横にドライヤーが落とされて。


「命令」

朝永さんは短く言うとドライヤーのコンセントをソファの横に差し込み、私の前に背中を向けて腰を下ろした。

ドライヤーは既にコンセントが差されているし、朝永さんが私の足を背凭れにするように座っているので逃げる選択肢が既に無い。

貴方が一番面倒臭いですよ。とジト目で朝永さんの頭を睨む。
こっちを向いていたら絶対出来ないささやかな抵抗。

さっさと終わらせよう。

私は小さく息を吐くと観念して、ドライヤーのスイッチを入れた。
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