once again

さすが蓮さんのお父さんであり、如月商事の社長だと思った。
言ってる事は、筋が通ってる。

「はい、でも違うんです。社長、本当にあの写真誌の事はデマです。写ってるのは確かですが、情報は間違ってるんです。何故なら、あれは私なんです」

「え？君？」
「高瀬が？」

社長と室長が同じ事を聞いてきた。

「はい。あれは私なんです」

また緊張が私を襲ってきた。
それに気がついた、蓮さんが優しく手を握ってくれた。
私は蓮さんを見て頷いた。

「驚かれるかもしれませんが、私の姉がモデルのRURIなんです。間違えられたんです」

「いや、あの写真はRURIだった。高瀬じゃないじゃないか」

室長も疑っていた。

「そう、ですね。でも、本当なんです。私とRURIは双子なんです。似ていて当たり前です。それは専務もご存知です。この間、伝えました」

二人とも黙ってしまった。
握っていた手の力がまた強くなった。

「あとは俺から言うよ。いいね。社長、匠、よく聞いてくれ。今回、涼香が間違われたのは事実だ。で、大騒ぎになる前に、RURIの事務所じゃ会見を開くと言ってる。妹である事をそして、私と涼香との婚約を発表してほしいと、その中でRURIをモデルとして如月商事から依頼したと発表してほしいと」

「な、なんなんだ、それはっ」

「蓮、それにメリットはあるのか？」

「あるでしょう。RURIですよ？一度は断られたじゃないですか？知名度は抜群なんだ。如月商事にとってプラスになるだろ」