once again

そして、記者会見の日になった。

見た事のない数のマイクが、机の上に置かれていた。
その前に、一人瑠璃はRURIとして座っている。
いつ見ても、凛としていてカッコいい。
あの場に一人で出られるなんて、さすが売れっ子モデルなだけあるな。
瑠璃は、行く前
「大丈夫。私は慣れてるから心配しないで。涼香は、絶対緊張すると思うから、蓮さんに勇気もらうのよ。分かった？」
って、言ってたっけ。勇気をもらう…どうやって？蓮さんも一緒に出てくれるのが一番なんだけど、そうはいかないしなぁ…

「涼香さん。緊張してますか？」

「あ、怜さん。さすがに、この数はびっくりしますね。経験した事ないんで。瑠璃はさすがです。自慢の姉です。怜さん、これからも姉の事お願いしますね」

「こっちこそ、よろしく。記者会見、頑張って。君なら出来るから」

「はい」

怜さんの励ましも私には、強い勇気となった。
私とは反対側で控えていた蓮さんも、私の姿を見つけると、頑張れ、と口で言ってくれているのが分かった。
瑠璃が、会見を始めた。

「今日は皆さま、お集まりいただきありがとうございます。今日は私、RURIから発表があります」

記者の人達が、写真に写っているのはRURIなのか？事実なのか？とすごい勢いで聞いてきた。
瑠璃は、怯むことなく、真っ直ぐ前を向いて一言ずつゆっくりと話を始めた。