きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜

「心配なのが、家電(いえでん)の番号だけじゃなく家まで知られてることなんですよねぇ」

真生ちゃんの中ではイタ電と近所の不審者は「同一犯」らしい。

「確か、櫻子さんのおうちって、駅から自転車ででも結構ありましたよね?」

……うーん、地元では「陸の孤島」って呼ばれてるからねぇ。

「……櫻子さん美人だから、どっかで目をつけられたんだろうけど」

真生ちゃんが険しい顔になる。

「ストーカーがだれか、心当たりあります?
まったく接点がない場合は難しいですけど、とりあえず身近なところから考えてみましょう。
ストーカー的には『定番』の、櫻子さんに叶わぬ好意を持つ人、とかいませんか?」

わたしは、ないないない、と目の前で手を振った。

……が。

「……まさか、ねぇ」

思わず、声が漏れていた。

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