きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜

「真生ちゃん、話がズレてるから……」

わたしは話を「軌道修正」しようとした。

「ズレる」という言葉から、なぜか綿貫館長の「被り物」が浮かんだが、必死で頭から追い出す。

「……そ、そうでしたねっ!」

真生ちゃんは、はっ、と我に返った。
標準語に戻っている。もう大丈夫だ。

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