きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜
゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚
結局、うちまで、葛城さんはわたしを送ってくれることになった。
JRの常磐線の駅を降りてからは自転車だ。
葛城さんは、駐輪場でわたしの赤いママチャリのサドルのレバーを引っ張って引き出し、ぐるぐるぐるっと回して、サドルを上げた。
そして、「ほんとは道路交通法違反なんだけどね」といたずらっぽく笑って、
「後ろに乗って。僕が自転車を漕ぐから。あ、櫻子さんの家までの道、教えてね」
わたしのママチャリにまたがった。
それから、わたしたちは、まるで高校生の下校時のように、自転車を二人乗りして家まで帰ってきた。
もうすっかり夜の帳が下りていた。
だからわたしは、ご近所の目を気にすることなく、自転車の荷台に横乗りした。
青春真っただ中のウブな女子高生みたいに俯いて、葛城さんのスーツの上着の端を掴むわたしに、
「……櫻子さん、もっとしっかりと持たないと、振り下ろされちゃうよ?」
自転車を軽快に漕ぐ葛城さんが、前を向いたまま笑って言った。
……彼の背中から、直に声が聞こえてきたような気がした。
結局、うちまで、葛城さんはわたしを送ってくれることになった。
JRの常磐線の駅を降りてからは自転車だ。
葛城さんは、駐輪場でわたしの赤いママチャリのサドルのレバーを引っ張って引き出し、ぐるぐるぐるっと回して、サドルを上げた。
そして、「ほんとは道路交通法違反なんだけどね」といたずらっぽく笑って、
「後ろに乗って。僕が自転車を漕ぐから。あ、櫻子さんの家までの道、教えてね」
わたしのママチャリにまたがった。
それから、わたしたちは、まるで高校生の下校時のように、自転車を二人乗りして家まで帰ってきた。
もうすっかり夜の帳が下りていた。
だからわたしは、ご近所の目を気にすることなく、自転車の荷台に横乗りした。
青春真っただ中のウブな女子高生みたいに俯いて、葛城さんのスーツの上着の端を掴むわたしに、
「……櫻子さん、もっとしっかりと持たないと、振り下ろされちゃうよ?」
自転車を軽快に漕ぐ葛城さんが、前を向いたまま笑って言った。
……彼の背中から、直に声が聞こえてきたような気がした。