今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
「高木? どうした」
「あ、あの」
まごまごしていた私の様子が気になったのか、今度は水瀬さんに声を掛けられた。動揺のあまりうまく言えないでいるとご丁寧にも車から降りた彼にもう1度「どうした?」と問われる。
その次の瞬間、昌也の存在に気が付いた水瀬さんは目を見開いた。
そりゃそうでしょうよ。
180センチ超えの長身、坊主頭の、ピンクのフリフリワンピースを着たオカマが立っているんだから。
「あら? あらあら? もしかしてこの人は?」
「……上司の水瀬さんです」
「あらやだー、紗夜がお世話になっています」
「いや、」
うわー、水瀬さんすっごく困った顔しているし。
その一方で昌也はスッピンの顔を盛大に緩ませて、私の肩辺りを肘で突いてくる。いつもは綺麗にメイクして、ヘアウイッグだって上手にかぶって、妖艶美人に化けているのに!
しかも、よりによってネグリジェかってくらいワンピが透けてるし。
どうせ、コンビニかどっかの帰りなんだろうけど、その恰好はいただけないよ、昌也ぁ。
「高木、この人は?」
「えっと、さっき言ったルームシェアしてる、」
「キャサリンでぇす。この先にある日暮しっていうラウンジで働いているから、今度、良かったら紗夜と来てくださいな」
「あ、ちょっとやめなよ、昌也。水瀬さんがオカマバーに行くわけないじゃん」