今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


お店の入った時には私たちしかいなかったのに、いつの間にか席が埋まっていて、周りにいた人たちが囃し立てるように私と水瀬さんを見ている。

よ! ねぇちゃんたちラブラブだね!

いいねぇ、若いねぇ、おじさんも愛の告白されたいな~。

そんな野次を飛ばされながら、水瀬さんは私の頭を軽く指で弾き。


「困ったやつだよ、お前は」


と、穏やかに笑った。







「いけますか?」


水瀬さんとは駅前で別れ、何となく真っすぐ家に帰るのが勿体なくなった私は、昌也が働いているラウンジ「日暮し」に足を運んだ。

そこで出迎えてくれた和服姿のママに尋ねると、にこやかに席へと通される。


「キャサリン、今ね、接客中なの」

「相変わらず人気ですね」

「そうなのよ。さすがチーママって感じでしょ、お陰でママが霞んじゃう」

「あはは」


何を飲む? と聞かれて、軽めのお酒を注文する。

今日は少し飲み過ぎた。お酒は弱い方じゃないけど、明日からの帰省を考えたら控えておくのがベターだろう。

先程の居酒屋から駅までの帰り道。

水瀬さんとの何気ない会話の流れから明日から実家に帰ることを告げた。すると、彼はまだ開いていた百貨店へと走り、実家に持っていくようにと土産を買ってくれたのだ。

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