今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
「紗夜ちゃんじゃない! どうしてここに?」
「友達が働いているので。彩さんこそ、東京にいらしていたんですね」
「うん、いらしたというか、正確には帰省してるんだけどね」
彩さんは元々東京の人らしい。
私はてっきり大阪勤務だから大阪出身の人だと思っていた(陽気だし)と言うと、そんな風に勘違いしている人も多いのだと教えてくれた。
曰く、東京よりも大阪の方が肌に合っているらしい。
「うちの社って本社が大阪だから、こっちで就職しても見込みがあるやつは大阪に呼ばれちゃうんだよね。ちなみに、貴司は入社2年目にして大阪に栄転した有望株だったんだよ」
「ということは、水瀬さんって東京の人ですか?」
「そうだよ、知らなかった?」
彩さんはニッと笑って、あいつにも休みの間に会わなきゃなーと呟く。
彼女と一緒に来店した中年の男の人たちは、どうやら親戚の方らしく、昌也が接客に当たっている。この近くで食事をしたあと、通りかかったこの店が気になり飛び込んできたんだとか。
じゃぁ、いっそオカマの道に踏み込んでみる? と昌也が冗談を言い盛り上がっていた。
「紗夜ちゃんは、実家どこなの?」
「山奥です。新幹線と私電を乗り継いで、バスに2時間ほど揺られてようやく着くような」
「へぇ、行ってみたい!」
「都会の人はみんなそう言いますけど、実際行ったら退屈ですよ」