今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


彩さんの言う通りだ。

頷いた私につられるように彼女もコクコクと首を縦に振る。この間、会った時より短かくなっている髪が顎のラインに揺れ、小顔に良く似合っている。


「あぁ、でもね、もうすぐお別れしなきゃダメなの」

「お別れ?」

「来年から東京に戻ることになったんだ」

「そうなんですか!」

「うん、結構大掛かりな人事があってね。私の他に何人か東京に出向するんだ。でね、紗夜ちゃんには言っといた方が良いと思うから言うけどね、貴司の元カノもその中にいるの」


静かな衝撃が胸の中に波紋を広げる。

つまり、それは元カノさんが東京に戻ってくるってこと!?


「そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫よ。2人はとっくに別れているんだし、貴司に至っては未練もないはずだから」

「だと良いんですけど」


不安なのは、不安だ。

カップルの復縁率は30代になると上がるとあずちゃんも言っていたし、と、焼けぼっくい説を彩さんに話す。すると、その隣で聞いていた昌也に、


「そういうことは、水瀬からOKの返事を貰ってから考えなさいね」


と、ずばり言われてしまった。



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