今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


「水瀬さん? あの、やるかって何を……」

「掃除に決まってるだろ、ぞうきんどこだ?」

「そんな! いいですよ、というか水瀬さんにそんなことさせられません。私がやりますので、」

「バカ言え。風邪引いてるやつは大人しく寝てろ」

「ちょ、ちょっと」


手を引かれ、リビングから放り出される。

いやダメですって戻ろうとしたけど、ドアの前で立ち塞がれ、立てこもり犯が差し入れを要求するかのように、僅かな隙間から「ぞうきん持ってこい」と言われると、もう従うしかない。

その後、廊下に居ても仕方がないので部屋に戻ると、しばらくしてからお盆に温めたリゾットを乗せた水瀬さんが顔を覗かせた。


「まだ何も食ってないだろ」

「……こういうの、ずるいです」

「ん?」

「期待しますよ、私」


だって、そうでしょ?

家まで来てくれたのは仕方のない事情だったとはいえ、代わりに掃除をしてくれたり、ご飯を温めてくれたり、仕事の時には絶対見せないような優しい顔をしていたり。

面倒みが良いのもここまできたら、勘違いしちゃうってもんです。






「期待、しても良いですか……」


掠れた声は、溶けるようき消えて。

水瀬さんは何も言わず、私が食べ終わるのを待ってから帰って行った。



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