今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
「水瀬も頑なだよね~何かトラウマでもあんの?」
ホットココアを私と昌也に手渡しながら、ユリヤが首を傾げる。
湯気立つマグカップにふぅーと息を吹きかけると、甘い香りが鼻孔をくすぐった。疲れている時や体調の悪い時は、これに限る。
「……元カノが忘れられないんだと思う」
「元カノ? あぁ、大阪にいた時のね。確か今年からこっちへ移動になったんだっけ」
「見ちゃったんだ、私。休みの日に2人が一緒にいるところ」
「あぁ……」
昌也が歯切れの悪い返事をする。
どうしたのよって目で訴えると、少し迷ったような顔をしながらも、「実はね」と、切り出した。
「この前、紗夜と同じ会社に勤めているっていう彩さんが来たでしょ? あれからも、うちに何回か来てくれていて、ちょこっと聞いちゃったんだけどね」
「何? 勿体付けないで早く言ってよ」
短気な性格のユリヤが急かす。
今日は遅出なのか、ずいぶんとゆっくりしている。
「水瀬の元カノには婚約者がいるって話でしょ? でも、その婚約が無くなりそうなんだって」
「え!」
「あくまで噂よ。確かな証拠はないらしいの。でも、向こうの人と結婚が決まっていたのに、いくら辞令が出たからってこっちに来るのはおかしいでしょ?」