マイラヴレディ~俺の愛しいお姫様





終わりにしようと言ったその翌日に。





「…次、これ。ゴボウの肉巻き。あーんして」

「………」



西校舎の屋上で二人きり。

お弁当食べさせて!と、しつこくしつこくせがまれてしまい。

本っ当に仕方なく、私がお弁当を食べさせてあげている…。

指示された通りのおかずを、言うとおりに箸で口に運んであげる。



「おいしー。次、卵焼きがいいー」

「………」



…何で。何で?

昨日別れを告げたはずなのに、何でこんなことになっちゃってるんだか…。

わからない…。




「あー。おいしかったー」

「………」



…そう言って、蓑島くんは。

いつの間にか私の隣にまですり寄ってきて。

私の肩に頭をそっと置く。

体がビクッと震えてしまった。



何これ…。

こんなに密着してきて…!

と、いうか、甘えん坊って感じ…!



蓑島くんは、私の肩に頭を置いたまま離れない。

むしろ「ふぅー」と一息ついちゃってる。



これ、何…?!

別れを告げた途端、急にベタベタしてきて…!



…まさか。

「行かないで!」みたいな?



(………)



だとしたら、どうしよう。

だとしたら、蓑島くんからしばらく離れられない?



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