王子様とブーランジェール
『…あなたがた!学校はどうしたのですかぁぁっ!また授業は終わっておりませんわよ!何学校をおサボりなさってるのかしらあぁっ?!』
小笠原の怒鳴り声は相当の迫力があるのか、女子集団は一瞬怯んだ。
しかし、怯んだのも束の間。
次々と小笠原に物申し始める。
『だってだって!ミスターに会いたくて来たんだもん!こんな誕生日っていう機会がないと、学校に会いに行ける口実なんてないじゃない!』
『学校さぼらないと間に合わないでしょ?!会えるかどうかもわからないのに!』
『あんたたちはいーよねー?同じ学校だもん!偉そうにしないでよね?!』
わいのわいのと次から次へと、出てくる出てくる不満の数々。
女子たちは、次第にエキサイトし始めた。
それぞれが喋って自分の主張を訴え…ガチャガチャとしている状態だ。
聖徳太子でも聞き分けるのが無理なんじゃないかというぐらい。
しかし、この女はその上を更に行く。
『…お黙りなさいぃぃっ!偉そうなのは、本当に偉いんだから仕方ないのですっ!!』
小笠原は意味がわからない発言をしたが、とりあえずその通り響く声とその迫力に推され、再びシーンと静かになっている。
『口実だの間に合わないだのは、言い訳でしかありませんわよ?それに、部外者立ち入り禁止エリアをうろうろしている非常にお行儀の悪い部外者が自分のファンだと知ったら…夏輝様は、大変悲しまれることでしょう!』
…いや、全然悲しくないですよ?
自分にファンがいること自体、非常に恥ずかしいことではありますが。
『それに…私達がここで何かをやらかせば、夏輝様が学校側に頭を下げる羽目になるのですよっ?!あなたたち、その事実に耐えられますの?!それでもファンですか!』
…いやいや。あんたたちが戦争になっても、救急車が来ても、学校に頭を下げるつもりはさらさら無いし。
その前に、もう十分やらかしていることを理解してほしい。
なんだかな。
『………』
しかし、小笠原の言ったことには説得力があったのか、女子集団はだんまりとしていた。
『そ、そうよね…』
『それは、耐えられないわよね…』
『そうなったら私泣いちゃうかも…』
え?何でそうなる?
ホントに説得力あったの?!
そんなことで泣かないで。