先生。
「後で謝って」
「え?」
「じゃないとここに連れて来た意味無くなるじゃん」
「意味?」
「2人きりになりたかったから、わざわざ演技してまで連れて来たのに」
…先生。
ここまで心臓がドキドキするくらいのこと、言って欲しいなんてお願いしてないよ…
先生は、私の背中とお腹あたりに優しく腕を巻きつけて、また肩に頭を乗せる。
「マジで寝れそう…」
私なんか緊張とドキドキで体が硬直してるって言うのに…
なのにこの人は、目をつぶって安心したみたいに小さく寝息を立てている。
「ズルいよ…本当…」
先生の色素の薄い、さらさらの髪を優しく撫でる。