先生。
すると先生がゆっくり目を開けるから、トロンとした視線と私のパッチリした目線は絡む。
心臓がひと跳ねしたら、お腹にあった手が頭の後ろに添えられて、そのままグッと引き寄せられて唇が重なった。
下唇を優しく噛んだり、舌が口内でゆっくり絡まったり…今までのキスと違う…
学校の保健室なんてありきたりなはずなのに、溶けて消えてしまいそう。
ふわふわした意識の中、チャイムの音が校内に響いて慌てて我にかえる。
「もう終わり?」
「も、戻ります!授業遅れるし!」
意地悪をして、ニッと笑って私に話しかけた先生の上から退いて、急いで教室に戻った。
自分の席に座って、改めて唇に触れたら、さっきのキスを思い出す。
薄っすら見えた先生の長いまつ毛とか、鮮明に蘇ってしまう。
なんか…好きって言われてるみたいだった…
「顔赤くね」