先生。


「俺も嬉しいよ。やっと普通の高校生らしくなってきたんだなって」


「…怒ってるくせに」





私がそう言うと、先生の動きが止まった。





「…嫉妬してくれてるんじゃないの?」


「呆れてんだよ。男なら誰でもいいの?」


「っ、違う!本当に事故なんです!!」


「だとしても隙があったんだろ。好きになっていいとか聞いてきながら、ちゃっかり他の男もキープ?すごいじゃん。さすが」


「…なにその言い方」





まるで、お店をしていた頃の私を思い出させるような言い方。


辞めさせたのは、先生なのに。





「自分だって彼女いるくせに!私のことキープしてるくせに!」





言い出したら止まらなくなりそう。





「本当はこんなに怒るくらい…「笑わせんな」





だけど、今日は違った。





「生徒のお前はキープで充分なんだよ」

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