先生。


頭をハンマーで殴られたって、こういうことなのかな。


もう思うように頭は回らなくて、思考が止まる。





「…そうだね」





自分で言ってるくせに、目にジワリと涙が溜まる。


胸が痛くて苦しくて、思わず自分の部屋に駆け込む。



…司とあんなに約束したのに。


距離を保とうとしないからこうなるんだ。


もしかしたらって、そんなこと考えてるからだ。



しばらくしたら玄関が開く音がして、先生が出て行くことがわかった。


…もうこんな時間なのに。



私と同じ所にいるのも嫌になった?


あぁ、彼女さんに会いに行ったのかも。



なんて思いながら枕に涙でシミをつくる。


こんなに好きになったのに、普通の高校生みたいに恋をしたのに、なんで先生なんだろう。

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