先生。
「もう先生のことも好きじゃないし、それに…」
「ベラベラ話してるとこ悪いけどさ」
私が話している途中なのに、相変わらず人の話を最後まで聞かないで土足で踏み上がってくる。
「そんな泣きそうな顔で言われても、なんの説得力も無いんだけど」
そして、相変わらず意地悪だ。
ものすごく。
「それにさ、気付いてる?」
先生はそう言うと、一歩。
また一歩、ゆっくりと距離を縮めてくる。
「この部屋に入ってきた時点で、お前の負けなんだよ」
もう、言い返すことは何もない。
そんなのとっくに気付いてるもん。
そういうのって、自分が1番わかるんだよ。
それでいて知らないフリをしてる。
先生と唇を重ねてる今だって。