先生。
急いで教室に戻り、カバンを取って靴箱へ向かうと、壁にもたれて立つ司がいた。
「司」
「おせーよ」
「ごめんごめん」
司といる時は忘れなきゃ。
じゃなきゃ一緒にいる意味がない。
だけど、忘れようとすればするほど、先生が頭を埋め尽くす。
嫌いになりたいと思えば思うほど、好きになる。
さっきの唇の感触だって…残ってる。
…おかしいんだよ。
あんな最低な男に、今すぐにでも会いたい私は。
「本当、津山のことぶん殴ってやりてーわ」
「…え?」
司と肩を並べて歩いていると、突然そんなことを言い出した。
「何でお前ばっか傷つくわけ?」