先生。
「……それは………もう、どうでもよくなって…気づいたら、あそこに…」
先生の怒りを含んだ目が、私を睨む。
「なに、俺がお前の母親を選ぶと思ったから?」
私は驚いて先生を見た。
なんで知ってんの…
「全部聞いたよ、あの人から」
「…え?」
「そんなに俺のこと信じられないんだ?」
その声は、怒りに悲しみが混じっていた気がした。
「二度と会わないって言ったのも俺だし、俺が好きなのはお前なんだよ。大嫌いな母親の言葉鵜呑みにしてんじゃねえよ」
「だって…私もそうだったから…先生のこと、全然忘れられなかったから…っ」
泣きじゃくる私を、先生は優しく抱き寄せた。
赤ちゃんをあやすみたいに、背中をポンポンとリズムよくたたいてくれる。