先生。



そして私の足が行き着いた場所は、誰も使っていない空き教室だった。



でもそこには先客がいて。


扉が開いた音でその人物がこちらを向いた。





「あ……」





思わず漏れた声。


だって、この顔には見覚えがありすぎるから。





「ふっ、自ら来るとはな?」





やっぱりこの人はヤクザなんだと思う。



話す気になれなくて、その教室から出ようとすると呆れた声が飛んできた。





「おい待てよ。まさか無視?」


「ごめんなさい…」





謝れば許してくれると思ったのに、そこから出ようとした私の腕はあっけなく掴まれた。





「…なに泣いてんだよ」





私、また泣いてんの?


もう自分じゃ気づけない。





「ちょっとからかっただけじゃん。そんな怖かったかよ?肩ぶつかったくらいでそんな怒んねぇって」


「ちが、う、から。大丈夫…」

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