先生。
「実際そうだろ。世間からも教師と生徒の恋なんて腫れ物に触るような扱いされんだよ。潤の幸せの為に俺は必要ない」
「教師のくせに根本的に間違ってるのね。それって譲が思う幸せの定義であって、潤の考えじゃない」
いつもなんも考えてないように笑ってるこの女が、真剣に話してるのに違和感しかなかった。
「潤がそう言ったの?幸せの為に譲は必要ないってそう言われたわけ?」
「違うけど…」
「なら、その考えを潤に押し付けただけ。お互いが想い合ってても幸せの価値観が同じなんてあり得ないのよ」
幸せの、価値観…か。
「潤だって別れたくて別れたわけじゃないと思うよ」
「…そんなこと、なんでわかるんだよ」
もしかしたらもう、川崎や立花と…なんて考えて、掻き消して酒を煽る。
「…あの子の母親だからよ」